「ヌーベルまんが」のイベント『ヌーベルまんが宣言』は9月29日から10月14日の間、東京で開催されます。
 谷中、上野という古い町並みが広がる地域で、art-Link 2001が主催する芸術イベントの一つとして開催されます。このイベントでは日本の漫画家とフランスの漫画家を招き、四つの展示会と、一つのパフォーマンスがリンクして行われます。

 


 

展覧会
 

1 「ヌーベルまんが」原画展

 フランスと日本の漫画家によるこの原画展は、今日では珍しい書院造の展示室を持つ正木記念舘において開催されます。やわらかい自然光が差し込んでくる畳敷きという和風の室内で、来場者は靴を脱いで鑑賞。原画はこの空間を活かし、掛け軸のかたちや陳列台に平置きして展示されます。来場者は座ってじっくりと観ることができるでしょう。
 この原画展の展示プランは、空間デザイナー、ナツメトモミチ氏が手がけています。

<*参加作家
ダビッド・ベー、マチュー・ブランシャン、フレデリック・ボワレ、福山庸治、エマニュエル・ギベール、ファブリス・ノー、ロイック・ネウー、フレデリック・ポワンソレ、谷口ジロー、やまだないと (アルファベット順)

会期:9月29日(土)から10月14日(日)まで
場所:東京芸術大学大学美術館

 
 

2 「メゾン・ド・ラ・ヌーベルまんが」展覧会―パフォーマンス

 この展覧会─パフォーマンスは、イベント期間中、初めの10日間、ギャラリー1・2Fにて開催。
 1Fでは“漫画家の日常”を演出。来場者はまるで、作家のお家に招かれたような心地になるでしょう。そこには、本棚、ソファーはもちろん、ベットや、トイレが置かれた読書の場(ベットと、トイレは、フランスではBDを読むところとして最適の場所と考えられている!)。また、テーブル、ひじかけ椅子、冷蔵庫、飲み物がある出会いの場。そして、公開アトリエが設置されます。
 会場では2人の作家に、実際に仕事などをして、過ごしてもらいます。作家の一人は、フレデリック・ボワレ、もう一人は日仏どちらかの作家が日替わりで参加。ボワレは、展覧会の期間中、自身のアトリエをこの会場に移して来場者を迎え、その日の作家を紹介し、展示の原画にコメントをしたり、彼のテクニックを披露します。
 フランス語と日本語の通訳が1、2人常駐し、来場者とフランス人作家の間のコミュニケーションを図るお手伝いをします。

*参加作家
ダビッド・ベー、フレデリック・ボワレ、ファブリス・ノー、ロイック・ネウー、ヴァルテール&ユカ(アルファベット順)

 2Fでは、展覧会として、カラリスト(彩色家)のヴァルテール&ユカらの仕事を展示。新世代の優れたBD作家たち(ダビッド・ベー、ジョアン・スファール、ニコラ・ド・クレシー、クリストフ・ブラン、エミール・ブラヴォなど)のために制作したカラー原稿の数々を紹介します。

会期:9月29日(土)から10月8日(月)まで
場所:Gallery SD602 Kingyo

 
 

3 ファブリス・ノーのインスタレーション

 このちいさな展覧会では、ファブリス・ノーの原画と同時に、そこに実際に描かれたものたちをそっくりそのまま展示空間に再現します。参考資料、作家が使った日常雑貨など、作家が作品を作る過程でインスピレーションを得たものを展示します。

会期:9月29日(土)から10月14日(日)まで
場所:藤ノ間 Gallery

 
 

4 街角ヌーベルまんがリンク

 谷中、上野、千駄木、根津界隈のカフェ、画廊、商店、寺社、個人宅等に漫画のワンシーンなどを展示。
 鑑賞者はアートリンクマップを手に、さながらオリエンテーリングのように散策しながら「ヌーベルまんが」と出会える機会になります。

 


 

参加作家
 

 日本人作家とフレデリック・ボワレの他に、9月29日から、10月9日の間、3人のフランス人作家(ダビット・ベー、ロイック・ネウー、ファブリス・ノー)を招聘します。
 


 

出版物
 

1 ヌーベルまんがジャーナル(カタログ)

 約32ページのカタログを発行、来場者に無料配布します。フランス語と日本語で書かれた、「ヌーベルまんが」のコンセプト、原画展参加作家の紹介、作家の作品を掲載します。
 

2 「ゆき子のホウレン草」

 このイベントでは、日本とフランスで同時出版される、フレデリック・ボワレの新作「ゆき子のホウレン草」の発表を記念します。日本では、太田出版から2001年の8月、フランスでは、エゴ・コミックス社から2001年の9月に出版予定です。
 


 

書籍販売

 L'Association 社、Ego comme X社と芸大美術館協力会(ミュージアムショップ)の協力を得て、ヌーベルまんがの展覧会で紹介されるフランス人作家の作品や「Comix 2000」、「Lapin」が、日本人の作家とフレデリック・ボワレの作品と共に、3つの会場で販売されます。来場者にとっては、日本では見ることのできない作品に出会え、しかも、フランスの現地価格で購入できるという、またとない機会です。
 


 

シンポジウム

 東京日仏学院にて、フランスの作家と、日本の作家を囲んで開催される予定です。

*参加作家
ダビッド・ベー、フレデリック・ボワレ、ファブリス・ノー、やまだないと(アルファベット順)

会期:10月4日(木) 午後7時から
場所:東京日仏学院

 


 

コンタクト
 

ヌーベルまんが宣言
art-Link Ueno-Yanaka 2001
担当:マリコ
アートリンク上野・谷中事務局:三木一正

 

「ヌーベルまんが」原画展
担当:野口玲一
東京芸術大学大学美術館
〒110-8714 東京都台東区上野公園内
Tel. 03.5685.7755(代表)

 

メゾン・ド・ラ・ヌーベルまんが
Gallery SD602 Kingyo
〒113-0022 東京都文京区千駄木2-49-10

 

ファブリス・ノーのインスタレーション
藤ノ間 Gallery
〒110-0001 東京都台東区谷中2-12-8梅月荘

 

シンポジウム
東京日仏学院
〒162-5415 東京都新宿区市谷船河原町15